「ペーパーバック」という言葉、聞いたことはありますか?本好きの人や、本をよく読む人なら一度は目にしたことがあるかもしれません。
Amazonでこのような「オンデマンド(ペーパーバック)」を見て「ペーパーバック」ってなんだろうと思った方も多いと思います。
ペーパーバックは、本の体裁のひとつです。今回はAmazonで購入できる「ペーパーバック」について詳しく解説していきます。
ちなみにオンデマンド とは、「必要に応じて」という意味です。
商品やサービスを必要なときに必要な分だけ提供する仕組みや形態を指します。いまだとNetflixやアマプラなどのVOD(ビデオオンデマンド)が有名ですね。 |
ペーパーバックの見た目の特徴は?ハードカバーや文庫などとの違い
ペーパーバックとハードカバー・文庫本は、どちらも手にとって読める書籍の形式ですが、それぞれ異なる特徴や用途があります。
ペーパーバックとハードカバーの違い
ペーパーバックの最大の特徴は表紙が薄い紙だということ
ペーパーバックの最大の特徴は表紙が薄い紙でカバーがないことです。このため本全体が軽量で、持ち運びやすいのが特徴です。
表紙にはカバーが付いていないため、デザインはそのまま印刷されます。また帯もついていません。カバーが付いていないため制作コストが低く、価格も抑えられるというメリットがあります。販売価格が安くなるため読者が気軽に手に取ることができるのが特徴です。
一方でカバーがないため凝った装丁ができず、また表紙が薄いため重厚感あるような書籍は作れません。
画像だけではあまりペーパーバックがイメージできない、という方もいるかもしれませんね。
ペーパーバックは海外では利用されることが多いため、実際にペーパーバックを手に取りたいときは書店の洋書コーナーがおすすめです。
ほかにペーパーバックと似たようなものとして雑誌があります。コンビニや書店で手に取れるような観光雑誌やファッション雑誌をイメージしてみてください。コンビニコミック(コンビニで売っている漫画で簡単な装丁でカバーがないもの)もペーパーバックと近いです。
ハードカバーは表紙が厚紙で作られ、カバーもある
ハードカバーは厚紙や布で作られた硬い表紙を使用しています。このため、耐久性が非常に高く、長期間保管するのに適しています。
一般的に書店で多く見かけるのがこのハードカバーです。丈夫な装丁に加え、カバーが本体を保護するため、長期間使用しても状態を保ちやすいのが特徴です。書棚での保管やコレクションに向いています。
一方で重さがあるため持ち運びには不便だと感じる人も多く、通勤・通学時にはハードカバーではなく文庫本を携帯する人も多いです。
補足:ソフトカバーとは?
ハードカバーの反対語としてソフトカバーを聞いたことがある人もいるかもしれません。
ソフトカバーは「表紙が柔らかい紙を利用したカバーのある本」を指します。文庫版やコミックなどがソフトカバーにあたります。
ペーパーバックと文庫本の違い
文庫本は非常にコンパクトなサイズです。ペーパーバックでも文庫版サイズとまではいきませんが小さいサイズで出版することも可能です。
文庫版もカバーがあるため、その点がいちばんペーパーバックと異なります。なお表紙は柔らかい紙で作られていることが多く、日本では既にハードカバーとして出版された本の再販として出版されるケースが多いです。
ペーパーバック・ハードカバー・文庫本の違いを表でまとめました
特徴 | ペーパーバック | ハードカバー | 文庫本 |
---|---|---|---|
表紙 | 薄い厚紙、柔らかい | 厚紙や布製、硬い表紙 | 薄い厚紙、柔らかい |
カバー | ✕ | ◯ | ◯ |
帯 | ✕ | ◯(装丁デザインの一部) | ◯ |
サイズ | 中サイズ(B6~A5程度) | 大サイズ(A4やB5程度) | 小サイズ(A6程度) |
重量 | 軽い | 重い | 非常に軽い |
価格 | 1,200円~2,000円前後 | 2,000円~5,000円前後 | 800円前後 |
持ち運びやすさ | 持ち運びしやすい | 持ち運びにくい | 非常に持ち運びやすい |
ペーパーバックのメリットとデメリット
ペーパーバックのメリットは、読者にとって軽量で持ち運びしやすく、価格が安いため購入のハードルが低い点です。著者や出版側にとっては、製造コストが低く普及版として幅広く流通させやすいという利点があります。
一方でデメリットとして、読者側では耐久性が低く高級感や長期保存には不向きという点が挙げられます。出版側では利益率が低く、ハードカバーに比べて装丁の自由度が低いことも課題です。
ペーパーバックは、コスト重視の普及版として有用ですが、用途に応じた装丁選びが重要です。このようなペーパーバックのメリットとデメリットについて詳しく解説していきましょう。
ペーパーバックのメリット
- メリット1.軽量で持ち運びがしやすい
- メリット2.価格が安く、購入しやすい
- メリット3.製造コストが低く、普及版として多くの読者に届けやすい
- メリット4.流通や増刷の柔軟性が高い
- メリット5.環境への負担を軽減できるエコロジーな印刷方法
メリット1.軽量で持ち運びがしやすい
ペーパーバックは柔らかい表紙で製本されているため、ハードカバーと比べて軽量でコンパクトです。このため、通勤や旅行中でも気軽に持ち運びができ、読書を日常生活に取り入れやすい形態といえます。
メリット2.価格が安く、購入しやすい
製造コストが抑えられるペーパーバックは、ハードカバーと比べて安い価格で販売されます。これにより、読者は新しい本を手に取りやすく、多くの人が読書を楽しむきっかけを作りやすいです。
メリット3.製造コストが低く、普及版として多くの読者に届けやすい
出版側にとって、ペーパーバックは製造コストが低いため、初版のリスクを抑えながら市場に投入できる利点があります。
ペーパーバックの製造コストが低い理由には、近年注目されるPOD出版(Print On Demand:注文印刷)の技術も大きく関わっています。PODでは必要な分だけ印刷・製本を行うため、大量在庫を抱えるリスクがなくなり、在庫管理や廃棄にかかるコストを削減できます。
特にペーパーバックは、簡素な製本と軽量な表紙の特性からPODとの相性が良く、小ロットでも効率的に生産可能です。
このような柔軟性とコスト効率の高さが、ペーパーバックの低価格化と普及を後押ししています。POD出版を利用すれば著者や出版社は出版後に想定よりも売れなかったというリスクを防ぐことができます。そのため表現の自由度を高い出版が可能になったのです。
メリット4.流通や増刷の柔軟性が高い
ペーパーバックは軽量でかさばらないため、物流面でのコスト削減が可能です。さらに、市場の反応を見ながら必要に応じて増刷できるため、出版計画の柔軟性が高まります。
メリット5.環境への負担を軽減できるエコロジーな印刷方法
ペーパーバックは、製造時に使用される資源がハードカバーより少ないため、環境への負担を軽減できます。特に再生紙や環境に配慮した印刷方法を採用することで、持続可能な出版形式としての役割も期待されています。
ペーパーバックでは必要な分だけ印刷・製本を行うPODの技術が利用することで、大量在庫を抱えたり廃棄するリスクが低減され、出版業界全体の持続可能性を高める役割も果たしています。
ペーパーバックのデメリット
- デメリット1.耐久性が低い
- デメリット2.カバーや帯がつけられない
- デメリット3.湿気や水に弱い
- デメリット4.特定のサイズや紙を選べない
デメリット1.耐久性が低い
ペーパーバックは柔らかい表紙と簡素な製本が特徴のため、長期間の使用や持ち運びには向いていません。
デメリット2.カバーや帯がつけられない
ペーパーバックは価格を抑えた形態であるため、ハードカバーに比べて高級感や見た目の美しさに欠けます。カバーや帯がつけられないのも本を想定込みで楽しむという読者には大きなデメリットでしょう。装丁や質感が物足りないと感じる人も多く、贈り物やコレクションとして購入する場合はハードカバーの本のほうがおすすめです。
デメリット3.湿気や水に弱い
ペーパーバックの表紙やページは薄い紙で作られているため、湿気や水に非常に弱いです。雨の日にカバンに入れて持ち運ぶ場合や、保管環境が湿気の多い場所だと、波打ったり劣化する可能性があります。逆に安価だからこそ劣化を気にせずにお風呂や通勤・通学で持ち歩けるという意見もあります。
デメリット4.特定のサイズや紙を選べない
多くのペーパーバックは決まったサイズ(例えば、A5やB6)で作られるため、特別なデザインの本を作るのには向いていません。
また、表紙や本文には厚紙や高級な素材を使えないことが一般的です。これは、ペーパーバックが製造コストを抑えるため、標準的で安価な紙を使うよう設計されているからです。
そのため、豪華な仕上がりを求める場合や、小さい子どもが読むような耐久性が必要な絵本、しかけ絵本など特別な用途に使いたい本にはあまり適していません。このように、ペーパーバックは価格や手軽さがメリットですが、見た目や作りの自由さでは制約がある出版形式です。
ペーパーバックは人気?利用者が増えている理由
ペーパーバックは製造コストが低いため、大量販売を見込めない本でも採算を取りやすい形態だということがわかっていただけたと思います。
AmazonのPOD出版サービスを利用することで、在庫を抱えずに自費出版が可能になりました。これにより、個人の著者や小規模な出版社でもリスクを最小限に抑えながら、本を市場に出せます。
例えば、専門性が高いニッチなテーマや小説、自費出版の本など、大量生産が難しいタイトルでも、ペーパーバックなら低コストで販売できます。この仕組みを利用すれば、より多くの著者が自分の本を簡単に出版できるようになり、読者も手頃な価格で本を購入できるのです。
ペーパーバックは、出版のハードルを下げ、文化を広げる重要な役割を担っています。
格安・低コストで自費出版をしたい方へ
本を電子書籍ではなく形に残る形で出したい場合、目的に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。
電子書籍ではなく本として形に残る形で出したい、本を売りたい当目的があるなら、低コストで流通が広いペーパーバックがおすすめです。
一方で、売ることが目的ではなく記念に残したい場合はペーパーバックでないほうがお得に目的が叶うかもしれません。
例えば、ペットや家族の写真集をフォトブックとして1冊だけ作りたい場合、イラストや漫画を同人誌として少部数制作したい場合は、小規模印刷も選択肢のひとつです。一度お見積りや試算してみることをおすすめします。
令和出版では「本をだしたい方」を募集しています
伝えたい想いがある方、一度は本を出して手にとってみたい方はお気軽にご相談ください。企画やテーマ選びからご相談をうけたまわっています。
あなたの想いを本の形にするお手伝いを、ぜひおまかせください。