クラウドファンディングにおけるリターンとは、プロジェクトを支援してくれた方々へのお礼として、プロジェクトの実行者が提供する「返礼品」や「特典」のことです。単純にプレゼントではなく、支援への感謝を示すとともに、プロジェクトをより深く理解してもらうための大切な要素にもなります。
リターンの主な種類は金銭的リターンと非金銭的リターン
リターンは大きく分けて、金銭的な価値のあるものと、体験や感謝の気持ちを表すものの2種類があります。
金銭的リターンの例
- 製品・サービス: プロジェクトで開発している商品そのものや、提供するサービス(例:新商品の先行割引購入、イベント参加券など)。
- 割引・優待: 将来の購入や利用に使える割引券や優待券。
- 限定品: クラウドファンディング限定のデザイン、カラー、機能を持つ商品。
非金銭的リターンの例
- 感謝のメッセージ: 支援者へのお礼のメールや手紙。
- 活動報告: プロジェクトの進捗を定期的に共有するレポートや動画。
- クレジット記載: 支援者の名前をプロジェクトのウェブサイトや製品、書籍などに掲載。
- 限定イベントへの招待: 支援者だけが参加できる交流会や試写会など。
- 体験型リターン: プロジェクトの一部を体験できる権利(例:工場見学、ワークショップ参加など)。
クラウドファンディングにおけるリターンの相場と人気リターンの例
クラウドファンディングにおけるリターンの相場は、プロジェクトの内容や規模、ターゲットとなる支援者層によって大きく変動します。
ただし多くのクラウドファンディングプラットフォームでは、1万円前後のリターンが最も支援されやすい傾向にあります。これは、比較的気軽に支援できる価格帯であり、相応のリターンも用意しやすい価格であるためです。
1,000円〜5,000円台(エントリー層)のリターンの例
支援の「入り口」として多くの人に参加してもらい、プロジェクトの認知度を高めることを目的とします。
- 感謝のメッセージ(お礼メール、手書きメッセージ)
- デジタルコンテンツ(壁紙、限定動画など)
- 支援者の名前をクレジットに掲載する
- プロジェクトを実行する過程で制作されたもの(サンプルや設計図など)
10,000円〜20,000円台(コア層/メイン)のリターンの例
プロジェクトの中心となる商品やサービスを提供します。
- 実際に発売する商品やグッズ
- サービスの体験・利用券
15,000円〜30,000円台(プレミアム層)のリターンの例
メインとなるリターンに加えて、より特別な特典を提供します。
- 限定ワークショップ・オンライン相談・イベント招待
- サイン入りメッセージ
- オリジナル写真集・本などの書籍
リターンを考える上での注意点
リターンのコストを考える
リターンは支援へのお礼ですが、プロジェクト運営にはコストがかかります。
リターンの原価(製造費、送料、梱包費など)が高すぎると、目標金額を達成しても手元に残る資金が少なくなり、プロジェクトの実行が困難になる可能性があります。
クラウドファンディングをサービスを利用している場合は手数料が差し引かれるため、目標金額そのままが受け取れるわけではないことに注意が必要です。
申込者が増えても負担がないリターンを用意する
実現が難しいリターンは在庫を少なめに設定しておきましょう。例えば、特定の日程でのイベント招待や、マンツーマンレッスンなど、手間や作業が制作が必要なリターンは、キャパシティを超えてしまう可能性があります。できればその特典の申込者が増えても、作業が増えないようなリターンを用意するのがおすすめです。
たとえば、アイドルが活動のための支援を集める際に写真集を特典とするとします。
紙の書籍の場合は印刷費・発送費・梱包や送付票などといった費用や手間がかかります。一方で同じ写真集であっても電子書籍をPDFとして送付するのであれば、費用も手間も大きく抑えることができます。
リターンとしても写真集だけではなく、制作過程の限定動画や未公開写真のデータも特典のひとつとなりますね。
令和出版ではリターンのひとつとして書籍の制作・出版も承っています
シンプルな写真集・イラスト集・絵本は5万円で(例:うちのこ写真集)本の制作から出版まで行います。
オリジナル要素が入る場合は15万円~ご対応が可能です。
参考:紙の本・電子書籍・Kindleで出版したいクリエイターさんを募集中!
もちろんリターンのひとつではなく、クラウドファンディングの目標として写真集やほかの本を出版することも可能です。
ほかの自費出版とは異なり、必要な分だけその都度製本できるサービスを利用するため、100冊発注するなどの最小ロットもありません。
※1冊でも100万冊でも同じ製本代になるため、小ロットから気軽に出版が可能になります。
ほかに決まった予算があれば、その予算内での出版をめざすことも可能ですので、ご興味がある方はぜひ一度お問い合わせください。オンラインでの無料相談も可能です。