【徹底解説】8万字の原稿は本にすると何ページ?プロが教える最適なページ数の考え方

【徹底解説】8万字の原稿は本にすると何ページ?プロが教える最適なページ数の考え方
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「書き上げた原稿が8万字だったけれど、これって本にすると何ページになるんだろう?」

せっかく渾身の力作を完成させたとしても、いざ出版を考えたとき、誰もがこの疑問にぶつかります。8万字というボリュームは、一般的なビジネス書や単行本として十分な量です。しかし、実は「文字数をページ数に換算するのは簡単ではないんです。

もしあなたが、「目標のページ数に届かないかも」「逆に分厚くなりすぎるかも」と不安を感じているなら、ご安心ください。

この記事では、8万字の原稿が文庫、新書、単行本といった版型で具体的に何ページになるのかを、標準的な換算目安と計算方法を用いて解説します。

なぜ文字数とページ数はズレるのか?

まず、原稿が8万字あるという点について。 この8万字という文字数は、多くの出版社において、書店に並ぶ単行本(四六判やA5判など)や標準的なビジネス書のボリュームとして適切な範囲になります。

  1. 一般的なビジネス書: 7万字〜10万字程度
  2. 小説(単行本): 8万字〜15万字程度
  3. 新書: 5万字〜8万字程度

つまり、8万文字あるなら、すでに内容を伝えるために十分な文字数があるということです。

「文字数」と「ページ数」が直結しない理由(書式、フォント、レイアウトの影響)

「8万字あっても本にしたら思ったより薄くなるのではないか?」「いいや逆に厚すぎるかも?」 これは著者の方からよくいただくお悩みです。

「いまの原稿が8万字なので、本のページ数を教えてください」というご質問もよくいただきます。

しかし、実は原稿データ上の文字数と、最終的に印刷された書籍のページ数は、複数の要因により直結しません。なので「8万字なら◯ページですね!」といった回答はすぐに出せないのです。

代表的な3つの理由

  1. 版型(本のサイズ): A5判(大きい)と文庫判(小さい)では、当然、1ページに収まる文字量がまったく異なります。
  2. フォントサイズと行間: 読みやすさを考慮して文字を大きくしたり、行間を広く取ったりするほど、使用するページ数は増えます。
  3. 図表・余白・画像の有無::本文中や章の切れ目、目次、索引など、文字ではなく図や大きな空白が使われるページが必ず存在します。これらのページもページ数にカウントされます。

書籍制作においては、読者の「読みやすさ」や「本の価格とのバランス」を考慮して、これらの要素を調整しながらページ数を決定します。そのため、原稿の文字数だけでは、最終的なページ数を正確に予測することは難しいのです。

適切なページ数の考え方

「この文字数で◯ページに収めてほしい」「◯ページは最低でもほしい」といったご要望もいただくことも多いです。本という手元に残るものなので、ご希望があるのもわかるのですが、書籍の制作においては「そのページ数が読者にとって適切か?」という視点が重要です。

書籍にはジャンルごとに、読者が「これくらいの厚みがあってほしい」と感じる暗黙のボリューム感があります。

ビジネス書・実用書では、読者は情報を手早く得たい傾向があるため、ページ数が厚すぎると「重い」「読むのに時間がかかる」と感じられることがあります。図表を効果的に使い、150~200ページ前後にまとめることで、価格とのバランスも良く、手に取られやすくなります。

専門書・学術書になると情報量が求められるため、300ページを超える分厚さも許容されます。

小説・文学では物語の没入感が重要視されますが、ページ数は作品やテーマによって大きく異なります。もし文庫サイズを視野に入れる場合は、版型を考慮したページ設計が必要です。

あなたの原稿がどのジャンルに該当するかを確認し、すでに販売されている競合となる書籍が持つ標準的なボリューム感を把握することが大切です。

読者に「◯◯すぎる」と感じさせない価格帯とページ数のバランスが重要

書籍の価格は、ページ数(使用する紙の量)と大きく関係します。ページ数と価格が釣り合わないと、どうしても読者からの評価が厳しくなりがちです。

ただし最適なページ数と価格というのはとても難しく、ページ数が多い場合でも価格が高くなりすぎると、「内容の割に高い」と敬遠される可能性があります。本当に必要な情報だけを厳選し、冗長な表現を削るなどページ数を最適化も検討が必要です。

ページ数が少なすぎる場合(例えば、3,000円という価格に対してページ数が50ページ程度)「薄いのに高い」と感じられ、読者の満足度が低下します。

最終的なページ数は「戦略」、ページ数を最適化するためには工夫が必要

最も重要な点としてお伝えしたいのは、「8万字だから何ページと断定できるルールは存在しない」ということです。

最終的なページ数(180ページになるか、250ページになるか)は、読者の読みやすさを追求するための版型、フォント、図表の配置、そして価格設定とのバランスによって決まります。

まずは、あなたの書籍のターゲット読者が「手に取りやすい」「内容に見合っている」と感じる価格帯やサイズ、そして読者に伝えやすくなる要素(フォントサイズや画像など)を考えてみてくださいね。

皆さまの「伝えたい」という気持ちを、私たちは心から応援します。 もし、あなたの想いを形にしたいと考えているなら、ぜひ一度、私たち令和出版にご相談ください。あなたの物語を、一緒に世に送り出すお手伝いをさせていただけたら幸いです。

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記事の著者:田中 千夏(編集)

文学部卒業。アルバイトとして観光雑誌の編集に携わったのをきっかけに、以降15年以上にわたり編集業務に従事。大学卒業後はWeb制作会社にて、ライティングやデザインといった編集業務を担当。大手企業の企画編集経験を経て、現在は令和出版にて編集部門にて企画・制作進行管理と実務編集を兼任。

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