Amazonペーパーバックの作り方|5ステップの流れとつまずきやすいポイント

Amazonペーパーバックの作り方|5ステップの流れとつまずきやすいポイント

Amazonのペーパーバックでつまずく方の多くは、KDPの操作画面ではなく、その手前の「入稿データ作り」で止まっています。

この記事では、Amazonペーパーバックができるまでの流れを5つのステップで整理し、それぞれで何を決めればいいのか、どこでつまずきやすいのかを解説します。

なお、余白や背幅の具体的な数値、印刷コストの料金表といった細かい仕様はAmazonの仕様変更で変わることがあるため、この記事では考え方を押さえたうえで、実際の数値はKDP公式で確認する形にしています。

KDPそのものの仕組みはKDPとは?で、電子書籍とペーパーバックの違いはペーパーバックとはで詳しく解説しています。

Amazonペーパーバックの作り方【5ステップ】

ペーパーバックを出すまでの流れは、大きく次の5つです。

ステップ やること つまずきやすい点
1. 判型と綴じ方向を決める 本のサイズと、横書き・縦書きのどちらにするかを決める 出版後に変更できないため、最初の判断が重要
2. 本文データを作る 決めた判型に合わせて本文をレイアウトし、PDFにする 余白の取り方とフォントの埋め込み
3. 表紙データを作る 裏表紙・背表紙・表表紙を1枚につなげたPDFを作る 背幅の計算と、綴じ方向との整合
4. KDPに登録して価格を決める 書誌情報を入力し、データをアップロードして価格を設定 印刷コストを踏まえた価格設定
5. 校正刷りで確認して出版する 実物を取り寄せて確認し、出版を申請する 画面上では気づけない仕上がりの差

本文と表紙、それぞれ何で作る?

本文と表紙は求められるものが違うため、使うソフトも分けて考えるのが一般的です。

本文:文字を流し込んでページを組むためのソフトを使う

ソフト 向いている人・本 ポイント
Word 文字中心の本(小説・エッセイ・自分史・実用書) 使い慣れている人が多く、判型に合わせたテンプレートを使えば最短。縦書きにも対応
Canva 写真集・イラスト集など、見た目を作り込みたい本 ブラウザで完結し無料でも使える。文字量の多い本の組版には向かない
InDesign ページ数が多い本、こだわった組版をしたい人 書籍組版の定番ソフト。仕上がりの自由度は最も高いが、有料で習得に時間がかかる

表紙:1枚の絵として作るためのデザイン系のソフトを使う

ソフト 向いている人 ポイント
Canva はじめて表紙を作る人 デザインの知識がなくても形にしやすい
Photoshop・Illustrator 仕上がりにこだわりたい人、写真を扱う人 印刷用データの調整がしやすい。有料で操作に慣れが必要

どのソフトを使う場合でも、表紙はKDPが用意している表紙テンプレートを土台にするのが確実です。判型とページ数を入力すると背幅を含んだテンプレートが出力されるので、それをCanvaやPhotoshopで開いてデザインしていきます。

具体的な作り方は、本文はWordCanva、表紙は表紙デザインの作り方Photoshopで表紙を作る方法の記事で解説しています。

ステップ1:判型と綴じ方向を決める

最初に決めるのが本のサイズ(判型)です。KDPでは複数の判型から選ぶほか、規定の範囲内でカスタムサイズを指定することもできます。日本の書籍でよく使われる四六判やA5判、B6判に近いサイズも選べます。

あわせて決めるのが、横書き(左から右)か縦書き(右から左)かという読む方向です。KDPは縦書き・右綴じにも対応しているため、小説やエッセイを縦書きで出すこともできます。

ちなみに判型と綴じ方向は、後の工程すべてに影響します。余白の取り方も背幅の計算も判型が前提になりますし、綴じ方向が決まらないと表紙の配置も決まりません。出版後には変更できない項目もあるため、ここは時間をかけて決めましょう。

判型ごとの特徴は四六判A5判B6判の記事で、綴じ方向については右綴じと左綴じの違いで解説しています。出版後に変更できない項目は「Kindle出版で出版後に変更できる部分と変更できない項目」の記事にまとめています。

ステップ2:本文データを作る

本文は、決めた判型のページサイズでレイアウトし、PDFにして入稿するのが基本です。

ここで一番つまずきやすいのが余白、特に綴じ側(ノド)の余白です。

紙の本は中央で綴じられるため、綴じ側は外側より広く取らないと、文字が谷間に入り込んで読みにくくなります。しかもこの必要な余白はページ数が増えるほど広くなります。

ページ数によって数値が変わるので、レイアウトを始める前にKDPの公式ガイドラインで自分の本のページ数に合う数値を確認しておきましょう。

もう一つ多いのがフォントの問題です。使用したフォントがPDFに埋め込まれていないと、入稿時にエラーになったり、意図しない書体に置き換わったりします。PDFに書き出す際は、フォントを埋め込む設定になっているかを必ず確認してください。

令和出版では、判型に合わせたテンプレートを販売しています。WordCanvaそれぞれでの作り方を用意しています。入稿前のチェック項目は入稿データの作り方にまとめました。

ステップ3:表紙データを作る

ペーパーバックの表紙は、電子書籍と考え方が違います。電子書籍は表紙の画像1枚で済みますが、ペーパーバックは裏表紙・背表紙・表表紙を横1枚につなげたPDFを作る必要があります。

ここで必要になるのが背表紙の幅(背幅)です。背幅は本の厚みそのものなので、ページ数と紙の種類によって決まります。ページ数が確定していないと背幅も決まらないため、表紙は本文が完成してから作るのが正しい順番です。

背幅の計算とレイアウトは、KDPが提供している表紙テンプレート生成ツールを使うのが確実です。判型・ページ数・紙の種類を入力すると、その本専用のテンプレートが出力されるので、それに合わせてデザインすれば寸法のずれを防げます。

もう一点、綴じ方向と表紙の向きを揃えることも忘れないでください。縦書き・右綴じの本は表紙が右側に来ます。横書きの感覚のまま作ると、表と裏が逆になってしまいます。

参考記事:本の表紙デザインの作り方

ステップ4:KDPに登録して価格を決める

データが揃ったら、KDPに登録します。※事前にアカウント作成と、ロイヤリティを受け取るための銀行口座情報・税務情報の登録が必要です

登録画面ではタイトルや著者名などの書誌情報を入力し、本文と表紙のデータをアップロードします。アップロード後はプレビューアーで仕上がりを確認できます。登録画面の項目ごとの解説はペーパーバックの詳細情報にまとめています。

ISBNは、KDPが無料で発行するものを使うか、自分で取得したものを使うかを選べます。無料のISBNは手軽ですが、出版社名を自分で設定できないなどの制約があります。自分の屋号やレーベル名を出したい場合は、自前のISBNを検討することになります。詳しくはISBNの違いをご覧ください。

価格を決める際は、印刷コストを踏まえる必要があります。ペーパーバックのロイヤリティは価格帯によって料率が変わり、そこから印刷コストが差し引かれる仕組みです。

印刷コストはページ数・カラーかモノクロか・判型の大きさで変わるため、ページ数の多い本やカラーの本ほど、価格を低く設定すると手元に残らなくなります。料率と印刷コストの最新の数値はKDP公式で確認したうえで、価格を決めましょう。

参考記事:販売価格の決め方

ステップ5:校正刷りで確認して出版する

出版申請の前に、校正刷り(プルーフ)を取り寄せて実物を確認することを強くおすすめします。

画面上のプレビューでは、紙の色や厚み、インクの濃さ、綴じたときにノドがどれくらい見えなくなるかまでは分かりません。特に写真やイラストを多く使う本は、モニターで見た印象と刷り上がりの差が出やすい部分です。

校正刷りは表紙に「再販禁止」の表示が入り、販売はできません。販売可能な実物が欲しい場合は著者用コピーを使います。違いは校正刷りと著者用コピーで解説しています。

内容を確認したら出版を申請します。審査を経て販売が始まり、Amazonの検索結果に反映されるまでにもう少し時間がかかります。発売日を決めている場合は、余裕を持ったスケジュールを組んでおくと安心です。

つまずきやすいポイント

ペーパーバックで入稿がうまくいかない原因は、だいたい次のどれかに当てはまります。

  • フォントがPDFに埋め込まれていない
  • 綴じ側の余白が足りず、文字がノドに入り込んでいる
  • 画像の解像度が印刷に足りていない
  • 背幅が実際のページ数と合っておらず、表紙の絵柄がずれる
  • 綴じ方向と表紙の向きが合っていない
  • 裁ち落としの設定が仕様と合っていない

いずれも、データを作る段階で仕様を確認しておけば防げるものです。アップロード時にエラーが出た場合の対処は入稿データのエラーにまとめています。

データ作りでつまずいたら

ここまで見てきたとおり、Amazonペーパーバックで難しいのはKDPの操作ではなく、印刷用のデータを仕様どおりに作る部分です。原稿は書けているのに、レイアウトや表紙データの段階で止まってしまう方は少なくありません。

令和出版では、入稿データの制作を代行するサービスを用意しています。原稿さえあれば、判型に合わせた本文のレイアウトから、背幅を計算した表紙データの作成までをお任せいただけます。詳しくは入稿データ制作サービスをご覧ください。

出版そのものを相談したい方は、POD出版とはもあわせてご覧ください。在庫を持たずに紙の本を出す仕組みと、令和出版のサポート内容を紹介しています。

Picture of 記事の著者:サトウ ユイ(編集)
記事の著者:サトウ ユイ(編集)

今春、新卒として令和出版に入社。大学在学中は学園祭のパンフレット制作やWebメディアのインタビュアーとして活躍。現在は同編集部門にて、サポート業務を行いながら、書籍やWebコンテンツのライター業務を担当。

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