AmazonでKindle出版(KDP/Kindle ダイレクト・パブリッシング)を行う際、KDPセレクトに登録するかどうかを設定する必要があります。
Kindleセレクトとは?
Kindleセレクトに登録すると、その電子書籍は自動的にKindleアンリミテッドの読み放題サービスの対象になります。これにより、読み放題サービスの利用者にも作品が読まれる機会が生まれます。
Kindleアンリミテッドとは
Amazonが提供する月額980円(税込)の電子書籍の読み放題サービスです。 |
Kindleセレクトに登録すると、その電子書籍は自動的にKindleアンリミテッドの読み放題サービスの対象になります。
Kindleセレクトにすると収益(ロイヤリティ)はどうなる?
Kindleセレクトに登録することで、販売によるロイヤリティ(印税)に加えて、Kindleアンリミテッド経由で読まれたページ数に応じた収益(KENPロイヤリティ)も得られるようになります。
つまり売上(ロイヤリティ)が2種類分かれることになります。
- 電子書籍を購入した人の場合:購入分のロイヤリティ
- Kindleアンリミテッドの登録者で読み放題として呼ばれた場合:ページ数に応じた収益(KENPロイヤリティ)
KENPロイヤリティは計算式をもとに毎月変動する
KENP1ページあたりの単価 = KDPセレクトグローバル基金の総額 ÷ 全世界の総既読KENP数
過去の傾向を見ると、1ページあたり0.5円前後で推移している。
Kindleセレクトに登録するメリット
- Kindleアンリミテッドの読み放題サービスの利用者に作品を読んでもらう機会がうまれ、新たな読者層にリーチできる
- Kindleアンリミテッドの読者は追加料金なしで本を読めるため、普段なら手を出さないようなジャンルや、知らない著者の本でも気軽に試す傾向がある。
読者が増えれば、当然レビューを書いてくれる可能性のある人も増えます。レビューが増えることで信頼性の向上(他の読者の購入のアシストになる)、Amazonランキングへの好影響も考えられます。 - 販売による通常のロイヤリティ(印税)のほかに新しいロイヤリティがうまれる
※Kindleアンリミテッドを通じて読まれたページ数に応じた「KENPロイヤリティ」が得られることで作品が購入されなくても、読まれたページ数に応じて収益を得るチャンスが生まれます。 - Kindleセレクトに登録すると、電子書籍が売れたときのロイヤリティの利率を上げることができる
Kindleセレクトに登録するデメリットや注意点
- Kindleセレクトに登録すると、登録した電子書籍は90日間、Amazon Kindleストアでの独占販売が義務付けられる。この期間中、他の電子書籍ストア(楽天Kobo、DMMブックスなど)で同じ電子書籍を販売したり、自身のウェブサイトで無料で配布したりすることはできない。
- Kindle Unlimitedの契約者は、月額料金を支払って読み放題を利用しているため、わざわざ本を購入せずに読み放題で済ませる可能性が大きくなる。これにより、1冊あたりの販売収益が減る可能性がある。
- Kindleセレクトに登録すると、原則としてロイヤリティ70%プランが適用される。このプランでは、電子書籍の販売価格を250円から1,250円(税込)の間に設定する必要がある。この価格範囲外で販売したい場合は、KDPセレクトに登録しないか、ロイヤリティ35%プランを選択する必要がある。
- ペーパーバック版を同時に販売している場合、電子書籍の販売価格はペーパーバックの希望小売価格よりも20%以上安く設定する必要があるというルールがある。このルールは、ロイヤリティ70%プランを選択した場合に適用される。
Kindleセレクトに登録すべきか迷ったら
Kindleセレクトは、「出版した電子書籍を、より多くの人々に届けて、収益機会を最大化したい」と考える人にとって試してみてほしい選択肢です。
Kindleセレクトの登録するのがおすすめな人
- 新規の読者層を開拓したい人
- 本のレビューを増やしたい人
- SNSやYouTubeなど、フォロワーを獲得したいツールがある人
- 販売価格が高価格帯ではない人
まずは90日間試してみて、その効果を検証したうえで継続するかどうかを判断することも可能です。