ひとりで誤字脱字チェックをする方へ~校正ツール・生成AIの紹介と活用の注意点~

ひとりで誤字脱字チェックをする方へ~校正ツール・生成AIの紹介と活用の注意点~

一文字ずつ、大切に言葉を紡ぎ、ようやく書き上げた原稿は、あなたの人生の軌跡や、長年培ってきた知恵が詰まった、かけがえのない結晶です。しかし、執筆という「生みの苦しみ」を終えた後に「誤字脱字チェック」をはじめとした校正作業を行うことで、さらに本としての完成度をあげることができます。

「何度もチェックしたから大丈夫!」――そう思われるかもしれません。しかし、実はプロの作家であっても、自分の原稿をひとつのミスもなしに完璧に仕上げることは不可能です。書いている最中の脳は「伝えたい内容」に集中しており、細かな文字のミスや矛盾を見逃すようにできているからです。

なぜこれほどまでに誤字脱字をなくし、校正を重ねる必要があるのでしょうか。

それは、誤字が読者の「リズム」を揺るがしてしまうからです。どんなにすばらしいエピソードやためになる内容がが綴られていても、誤字脱字が散見されると、読者の意識は内容から逸れ、読み進めるのが億劫になってしまいます。誤字脱字をなくすことは、読者がストレスなく物語に没入するために必要であり、著者から読者への最大の敬意なのです。

誤字脱字のセルフチェック術:視点を変えて「気づき」やすくする

自分の文章を客観的に見るためには、脳を「執筆モード」から「読者モード」へ切り替える必要があります。そのための具体的で効果的な4つの手法をご紹介します。

① 音読をする
目で追うだけでなく、実際に声に出して読んでみてください。声に詰まる場所、息が切れる場所は、文章のリズムが悪いか、一文が長すぎるサインです。「てにをは」の重複や、リズムの悪さは、耳を通すことで驚くほど浮き彫りになります。

② 媒体を変える(紙に印刷する)
パソコンの画面上で何度読み返しても気づかなかったミスが、紙に印刷した瞬間に見つかることがあります。これは視覚の焦点が変わるためです。赤ペンを片手に、物理的な紙をめくりながらチェックすることで、読者と同じ視点に立つことができます。

③ 「寝かせる」時間を作る
書き上げた直後は、頭の中に文章のイメージが強く残っており、無意識に脳がミスを補完してしまいます。一晩、できれば数日間は原稿から離れてください。内容を忘れかけた頃に読み直すと、他人の文章を読むような冷徹な視点でチェックが可能になります。

補足:誤字脱字以外にチェックしたほうがよい項目

① 事実確認(ファクトチェック)
ご自身の経験や歴史、専門知識を執筆する場合、記憶違いが入り込むことがあります。
年号、地名、人名の漢字に間違いはないか。引用したデータや情報は最新のものか。

いまいちど改めて確認してみましょう。

② 接続詞と語尾の調整(リズム作り)
文章がたどたどしく感じる原因の多くは「リズム」にあります。

同じ接続詞がが多すぎないか。なくても通じる接続詞を削ると、文章はぐっと引き締まります。

語尾の重複も修正が必要です。「〜でした。〜でした。」と3回以上続くと、幼い印象を与えます。語尾に変化をつけるだけで、知的な印象に変わります。

③ 専門用語の「噛み砕き」
自分にとっては日常的な言葉でも、読者にとっては高いハードルになることがあります。

難しい専門用語を、中学生でもわかる言葉に置き換えられないか。比喩(たとえ話)を使って、イメージしやすくできないか。 「親切な文章」は読者が最後まで読み進める助けとなります。

④表記の統一
誤字脱字以上に「素人っぽさ」が出てしまうのが、表記の揺れです。表記統一リストを作って、同じ文言でひらがな、カタカナ、漢字の揺れがないか確認しましょう。

誤字脱字チェックツール(無料・有料)

① Microsoft Word(文章校正機能)Wordを利用できるなら追加費用なしに利用可能
最も普及している文章作成ツールです。赤い波線で誤字を、青い二重線で文法ミスを指摘してくれます。基本的な「てにをは」の間違いや、単純な入力ミスを見つけるのに適しています。

また、「スペルチェックと文章校正」機能で誤字脱字や文章のミスを指摘してくれます。

② Google ドキュメント
ブラウザ上で動作し、無料で使えるツールです。Wordとは異なり、Googleアカウントがあれば無料で使えます。

Wordで指摘されなかった誤字を指摘することもあるので、両方使ってみるのもよいでしょう。もちろんGoogleドキュメントで指摘されず、Wordで指摘されるミスもあります。

③ 文賢(ぶんけん)有料
文章作成アドバイスツールとして、プロにも愛用者が多いツールです。 単なる誤字脱字だけでなく、「表記揺れ(子供と子ども)」、「二重否定(なくはない)」、「主語と述語のねじれ」、「冗長表現」など、人間が見落としがち「文章の癖」を指摘します。原稿の品格を一段上げたい場合に最適なツールです。一度にチェックできる文字数は3万文字のため、表記ゆれもチェックしやすいです。※一般的な生成AI(無料版や標準的なプラン)が一度に扱える文字数は、「日本語で約2,000文字〜5,000文字程度」とされています)

また、「カスタム活用」できるAIアシスト機能も特徴的です。例えば、文章が全体的に「接続詞が足りない」と感じていれば、「適切な接続詞の追加」をワンクリックで使える機能として設けることもできます。

文賢の使い方

なお、次の画像の通り、文賢では送信されたテキストはAIの学習には使用されない設定になっています。

「AIアシスト」の機能紹介と使い方 | 文賢ヘルプセンター | 文賢の使い方や活用法がわかる公式ヘルプ より画像を引用

現在は11,880円かかった初期費用も無料で利用できるので、「編集者を雇うほどでもないけどより良い文章にしたい」といった方向けです。

30日間の利用料は2,178 円(税抜 1,980 円)です。

文賢の詳細はこちら

GeminiやChatGPTなど「生成AI」活用の注意点

最近では、GeminiやChatGPTに校正を依頼する方も増えています。弊社にご依頼の著者のみなさんからも利用しているという声をお聞きします。ただし、執筆において生成AIを活用するうえでの注意点があります。メリットとともに見ていきましょう。

メリット

  • 要約や、言葉の言い換え案を大量に出してくれる。

  • 「です・ます」調の統一など、一貫したトーンへの書き換えが速い。

デメリットと注意点

  • 事実の捏造(ハルシネーション)
    AIは「もっともらしい嘘」をつくことがあります。歴史的事実や専門的なデータが正しくないリスクがあるため、必ず人間による再確認が必要です。

  • 勝手な書き換え
    AIは、指示の出し方によっては「校正」ではなく、自分の好みのスタイルへ勝手に「書き換え(リライト)」を行ってしまいます。
    指示をだしていないにも関わらず、著者が大切にしている語り口や、あえて選んだ表現まで書き換えてしまうこともあるのです。
  • 文脈の欠如
    前後の章との整合性や、著者の「独特の語り口」まで考慮した修正は苦手です。画一的で「AIっぽい」味気ない文章になってしまうこともあります。

上記の理由より、あくまでも生成AIはチェックするツールとして活用し、文章の手直しはご自身でされることを推奨いたします。

納得の「一冊」を作るためには誤字脱字チェックは必須

これまで述べてきた通り、誤字脱字を完璧にチェックし、表記を整え、事実関係を確認して、最後にもう一度見直しをするのは気が遠くなるほど大変な作業です。

さらに本を「もっと読みやすく、最後まで読んでもらえる作品」にするためには、客観的な意見をくれる第三者の存在が不可欠です。

自分一人では「わかっているはず」の前提条件が、初めて読む読者には伝わらないことは多々あります。「この説明はもう少し詳しくしたほうがいい」「このエピソードを先に持ってきたほうが感動が深まる」といった指摘は、自分一人では、そしてツールやAIでは決して得られない視点です。

ぜひ周りのかたに文章を読んでもらって、意見を聞いてみてください。

もし「知人や家族に読んでもらうのは恥ずかしい」「まわりの人に相談しにくい」と感じる方は令和出版にご相談いただければ幸いです。

私たちの役割は、単に誤字脱字を直すことだけではありません。プロの編集者が、執筆前の企画段階からあなたと並走し、一緒に本をかたちにしていきます。(執筆後のご相談ももちろん歓迎です)

私たちは著者さまの「声」や「個性」を消すことなく、読者の心に深く届く一冊を作り上げることを意識しています。マイナスをゼロにする校正だけでなく、作品の価値をプラスにする「企画と構成」の力で、あなたの想いを一生モノの「本」にしませんか?

お問い合わせより、出版に関する無料相談も承っています。

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記事の著者:田中 千夏(編集)

文学部卒業。アルバイトとして観光雑誌の編集に携わったのをきっかけに、以降15年以上にわたり編集業務に従事。大学卒業後はWeb制作会社にて、ライティングやデザインといった編集業務を担当。大手企業の企画編集経験を経て、現在は令和出版にて編集部門にて企画・制作進行管理と実務編集を兼任。

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