本を出すこととは?「上梓」の意味と出版までの主な方法を解説

本を出すこととは?「上梓」の意味と出版までの主な方法を解説

「いつか本を出したい」「上梓するというのはどういう意味なのだろう」と感じたことはありませんか。本を出すという行為には、いくつもの方法があり、それぞれに向き不向きがあります。この記事では、「本を出すこと」の基本的な意味から、「上梓」という言葉の由来、実際に本を出す主な方法、そして出版までの流れまでを整理して解説します。

「本を出す」とはどういうこと?

「本を出す」とは、自分の書いた原稿や作品を書籍という形に仕上げ、読者のもとに届けることを指します。原稿を書くだけでなく、編集・デザイン・印刷や電子化・流通といった工程を経て、初めて「本を出した」ことになります。

本を出す目的は人によってさまざまです。長年の研究や仕事の知見をまとめたい人、小説やエッセイといった創作を世に問いたい人、イラストや写真、陶芸や書道といった自分の作品集を形として残したい人など、動機は多岐にわたります。誰が費用や制作を担うか、どのように読者に届けるかによって、後述する商業出版・自費出版・POD出版・電子出版といった方法が分かれてきます。

「上梓」の意味と由来

上梓とは、本を出版することを表す言葉です。「じょうし」と読み、「原稿を上梓する」「このたび新刊を上梓しました」のように、書籍が世に出ることを指す、やや改まった書き言葉として使われます。

「梓」は「あずさ」と読む木の名前で、かつて中国でこの木材が印刷用の版木に用いられていたことに由来すると一般に説明されています。版木に文字を彫って印刷することから、「梓に上す(のぼす)」という言い方が生まれ、それが転じて「本を出版する」という意味の「上梓」という言葉になったとされています。ただし、細かな時代背景や経緯については諸説もあり、断定的に語られる部分と、一般的な由来として紹介される部分があることには留意しておくとよいでしょう。

実際の使い方としては、次のような例文が挙げられます。

  • このたび、初めての著書を上梓いたしました。
  • 長年取り組んできた研究の成果を、一冊の本として上梓する運びとなりました。
  • 多くの方に支えられ、シリーズ三作目を上梓することができました。

いずれも「本を出版した」という意味で使われており、日常会話よりも挨拶文や著者紹介、あとがきなどのやや改まった文章で用いられることが多い言葉です。

本を出す主な方法

本を出す方法には、大きく分けて商業出版・自費出版・POD出版・電子出版の4つがあります。それぞれ費用の負担者や制作の進め方、書店流通の有無などに違いがあり、目的に応じて選び方が変わってきます。

方法 特徴 在庫 書店流通
商業出版 出版社が企画・費用を主導し、書き手が原稿を提供する形 出版社が在庫を持つ 可能な場合が多い
自費出版 著者が費用を負担し、内容や仕様を自由に決められる 刷った分を著者側が保管することが多い ISBN発行の有無による
POD出版 注文が入るたびに1冊ずつ印刷・製本する仕組み。最近では新しい自費出版のかたちとして利用されることも多い 在庫を持たない ISBNがあれば流通可能
電子出版 紙を使わず、電子書籍として配信する形式 在庫の概念がない 電子書店での販売が中心

特にPOD(プリントオンデマンド)出版は、注文が入った分だけを都度印刷・製本する仕組みのため、在庫を抱えるリスクがないことが特徴です。また、書籍として書店やAmazonなどで流通させるためには、原則としてISBN(書籍を識別するための番号)の取得が必要になります。

なお、紙の本を選ぶ場合は、ソフトカバー(ペーパーバック)にするか、しっかりとした表紙のハードカバー(上製本)にするかという選択も出てきます。それぞれの構造や向いている用途については、ハードカバーとは?上製本の構造・特徴の記事ペーパーバックとハードカバーの違いの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

本を出すとどんな良いことがあるか

本を出すことには、自分の知識や作品を形として残し、名刺代わりの実績として活用できるという良さがあります。一冊の本にまとまっていることで、初対面の相手にも自分の専門性や活動内容を伝えやすくなり、信頼につながりやすいという側面もあります。

この「本を出すことが信頼やブランディングにどうつながるのか」というテーマについては、詳しくは出版ブランディングとは?本を出すことが信頼につながる理由の記事で解説していますので、そちらもあわせてご参照ください。

本を出すまでの流れ

本を出すまでの流れは、多くの場合、打ち合わせから出版まで大きく5つのステップで進みます。ここでは一例として、作家やクリエイター向けにPOD出版を手がける「アートフォリオラボ」の流れをご紹介します。

  1. オンラインでの打ち合わせ
  2. 申し込み
  3. タイトルや掲載内容の決定
  4. 制作
  5. 出版、および専用ウェブページの公開

 

アートフォリオ・ラボは、A4スクエア・フルカラー・全63ページ(奥付1ページ、お知らせ2ページを含む)という仕様に固定されており、プロのデザイナーが制作したテンプレートに画像を当てはめていく方式で本を作ります。そのため、原稿の執筆というよりも、イラスト・書道・陶芸・ハンドメイド作品・写真集・楽譜集・ファッション・ポートフォリオといった作品集を一冊にまとめたい方に向いた形と言えます。

出版までは最短2週間ほどで、ISBNの発行、Amazonでの紙書籍・電子書籍の販売手続きの代行、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・スペインの海外Amazonでの販売、国会図書館への納本、完成した本1冊の送付、テンプレート表紙、SEO対策を施した書籍専用のランディングページ制作までが含まれています。料金や具体的なプラン内容については、最新の情報をアートフォリオラボの公式ページでご確認ください。

「上梓する」を、特別なことにしない

本を出すことも、上梓するという言葉も、決して一部の特別な人だけのものではありません。自分の作品や知識を一冊にまとめる方法は、商業出版だけでなく、自費出版やPOD出版、電子出版など複数用意されており、目的や作りたいものに合わせて選ぶことができます。まずは自分がどんな形で本を残したいのかを整理し、それに合った方法や相談先を探すところから始めてみてはいかがでしょうか。

Q1. 上梓と出版の違いは何ですか?

上梓は「本を出版すること」を表す、やや改まった書き言葉としての言い回しで、意味そのものは出版とほぼ同じです。日常的な場面では「出版する」、挨拶文やあとがきなど改まった文章では「上梓する」が使われる傾向があります。

Q2. 本を出すのにどのくらいの期間がかかりますか?

本を出すまでの期間は、選ぶ方法や内容によって大きく異なります。商業出版では企画から発売まで長い時間がかかることが一般的ですが、テンプレートを活用するPOD出版の中には、アートフォリオ・ラボのように最短2週間程度で出版まで進められる仕組みもあります。

Q3. 自分の本を出すことに向いている人はどんな人ですか?

これまでの作品やノウハウ、活動の記録を一冊の形にまとめて残したい人、名刺代わりの実績として活用したい人は、本を出すことに向いていると言えます。イラストや写真、ハンドメイド作品などの作品集を作りたい方にも、本という形は適しています。

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記事の著者:サトウ ユイ(編集)

今春、新卒として令和出版に入社。大学在学中は学園祭のパンフレット制作やWebメディアのインタビュアーとして活躍。現在は同編集部門にて、サポート業務を行いながら、書籍やWebコンテンツのライター業務を担当。

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