本の出版に欠かせないISBN(国際標準図書番号)は、本の「製品コード」であり、「本の戸籍番号」とも言える大切なものです。この番号は、出版社が書籍という製品に付与するものであり、著者や作品そのものに割り当てられるものではありません。
ISBNの最大の原則は「同じ製品には、同じコード」ということです。
増刷は、英語で “copy” と言われるように、内容に一切手を加えない「複製」です。そのため、元の本と全く同じ製品と見なされ、同じISBNをそのまま使用します。
ISBNの原則
製品が異なれば、ISBNも異なる
たとえ内容が同じであっても、判型、版、造本(上製本か並製本かなど)が異なれば、別のISBNが必要です。
例えば、単行本と文庫本では同じ内容の本でもISBNが異なりますし、同じ本であっても、別の出版社から出される場合、ISBNは異なります。
「増刷」と「改訂」の違い
増刷(copy):内容に一切手を加えない場合は、元のISBNをそのまま使用します。
改訂:内容に修正や変更を加えた場合は、異なるISBNを付与する必要があります。
「POD版」などの表記
本に「POD版」「オンデマンド版」といった表記があるかどうかは、製品の同一性を判断する上で非常に重要です。
同じISBNを付与するためには、表記の有無を含め、製品が完全に同じでなければなりません。
「POD版」といった表記があるものとないものでは、別の製品として扱われます。
カバーの有無は、本の「本体」の同一性には影響しない
図書館などではカバーを外して蔵書されることが多いため、本体が全く同じであれば、カバーのデザインが違うことまたはカバーの有無に関わらず同じISBNを使用できます。