「Kindleで写真集を出版する」と聞くと、電子書籍だけをイメージする方が多いのではないでしょうか。実はKindleでは、電子書籍版に加えて紙のペーパーバックとしても写真集を出版できます。
本記事では、写真集に必須の固定レイアウトの基礎知識、自分で作る際につまずきやすいポイント、電子版と紙版の違い、出版社に依頼する場合の選択肢まで、写真集出版に絞って解説します。
目次
ToggleKindle写真集出版の基本の流れ(Kindle電子書籍の場合)
Kindleで写真集を出版する流れは、KDPアカウント登録、原稿・画像準備、固定レイアウトEPUBの作成、審査を経て出版という順番で進みます。
- KDPアカウントの登録
- 写真データやタイトル・紹介文などの原稿準備
- 固定レイアウト形式でのEPUBファイル作成
- KDPへのアップロードと審査
- 審査通過後、電子書籍として出版・販売開始
費用の考え方は、詳しくはKindle出版は無料でできる?費用ゼロの仕組みと自分でやる場合の注意点の記事で解説していますので、本記事では写真集特有の作り方に絞ります。
固定レイアウト(Fixed Layout)とは
固定レイアウトとは、ページ内の文字や画像の位置をあらかじめ固定し、デバイスや文字設定を変更しても表示が崩れないようにするEPUBの形式です。写真集は写真の切れ方や見開き表現、余白までが作品の一部であるため、表示位置がずれると意図が伝わらなくなります。
固定レイアウトとリフロー型の違いは、詳しくは固定レイアウトとリフロー型の記事で、EPUB自体の仕組みはEPUBとはの記事で解説しています。
自分で作る場合につまずきやすいポイント
写真集を自分でKindle出版する際は、画像解像度・ファイルサイズ・レイアウト崩れの3点でつまずくケースが多く見られます。
- 画像解像度:印刷向けと画面表示用で求められる解像度が異なり、そのまま流用すると画質が粗く見えたりファイルサイズが過大になったりします。
- ファイルサイズ:使用画像点数が多く全体のサイズが膨らみがちなため、画質を保ちつつ圧縮のバランスを取る必要があります。
- レイアウト崩れ:実機やアプリでの確認を怠ると写真の欠けや余白のずれが起こり、審査の差し戻し原因にもなります。
電子書籍だけでなく紙(ペーパーバック)でも出版できる
Kindleでは電子書籍だけでなく、KDPのペーパーバック出版機能で紙の写真集としても出版できます。紙版には電子版と異なる注意点があります。
| 比較項目 | 電子書籍版 | 紙(ペーパーバック)版 |
|---|---|---|
| 原稿サイズ | 自由度が高い | 印刷用のトリムサイズを選んで作成 |
| 表紙データ | 表紙1枚の画像で完結 | 表紙・背表紙・裏表紙が一体の1枚データが必要 |
| 裁ち落とし | 考慮不要 | 「塗り足し」を考慮したレイアウトが必要 |
| 色味の確認 | 画面上の色がそのまま反映 | 印刷後の色味が画面と異なることがあり要確認 |
KindleのペーパーバックはAmazonによるプリントオンデマンド(POD)の仕組みで、注文ごとに1冊印刷・製本される点も電子版とは異なります。
出版社(令和出版)に依頼する場合との違い
固定レイアウトや紙版の入稿データ作成を自分で行うのが難しい場合は、出版社に制作を依頼する選択肢もあります。令和出版の「アートフォリオ・ラボ」は、作家・クリエイター向けに写真集などの作品集出版を支援するサービスです。
| 比較項目 | 自分でKDP出版する場合 | アートフォリオ・ラボに依頼する場合 |
|---|---|---|
| レイアウト制作 | 固定レイアウトを自分で設計・作成 | プロのデザイナー制作テンプレートに写真を当てはめる |
| ISBN発行 | 自分で取得手続きが必要 | 令和出版発行のISBNを付与 |
| 海外Amazon販売・納本 | 自分で対応 | 米英独仏伊西での販売、国立国会図書館への納本まで対応 |
| 制作期間の目安 | 作業量による | 最短2週間 |
仕様はA4スクエア・フルカラー・全63ページ(奥付1P・お知らせ2Pを含む)に固定され、完成本1冊の送付やSEO対策済みの書籍専用ランディングページ制作も含みます。写真集のほかイラスト集、書道・陶芸・ハンドメイド、楽譜集、ファッションなど幅広い作品集に対応。
流れは①お問い合わせ②申し込み③タイトル・内容決定④制作⑤出版と専用ウェブページ公開、の順です。プリントオンデマンド方式のため在庫リスクはありませんが、カバー・帯不可、白黒かフルカラーの二択、厚紙・特殊加工非対応、ハードカバー非対応(ペーパーバックのみ)というPOD共通の制限があります。
最新の料金・仕様は、詳しくはアートフォリオ・ラボの公式ページをご確認ください。
電子と紙、どちらも見据えて写真集の出版方法を選ぶ
Kindleの写真集は電子書籍だけでなく紙のペーパーバックとしても出版できることを踏まえ、どちらの形で読者に届けたいかを先に考えておくことが大切です。
固定レイアウトや紙版特有の入稿データ作成に自信がある方はKDPでの自作に挑戦する価値がありますし、不安がある方は自費出版などの出版社のサービスを検討するのも一つの方法です。電子と紙、それぞれの特徴を理解した上で、自分に合った出版方法を選んでいきましょう。