KDP(Kindle出版)で書籍を出版する際、自身の本を手に入れられるのが「校正刷り」と「著者用コピー」です。
「校正刷り」は出版前の最終確認として利用でき、「著者用コピー」は安く書籍を手に入れたいという需要を満たします。
※どちらも管理画面の該当の本のアクション「…」から申請します。
校正刷りとは
校正刷りとは、書籍を出版する前に、内容や体裁の最終確認を行うために注文する印刷物です。
- 目的: 出版前に誤字脱字、画像の表示崩れ、フォーマットの不整合、表紙の色味などを物理的な冊子で確認し、問題がないことを最終的に確認するために使用します。
- 内容: KDPにアップロードされた、まだ出版されていない最新の原稿(ドラフト版)が印刷されます。これにより、読者に公開される前の最終版を確認できます。
- 仕様: 通常の販売版と同じ品質ですが、表紙に「Not for Resale(非売品)」などの透かしが入ります。
著者用コピーとは?
著者用コピーとは、KDPで既に販売中の書籍と同じものを、著者自身が印刷コストで購入できるサービスです。販売前は利用できません。
- 目的: 著者が個人的に保管するため、サイン本として読者に直接販売するため、あるいはイベントなどで配布するためなど、様々な目的で利用されます。
- 内容: Amazonで販売されている最新のデータが印刷されます。もしKDPで原稿を修正・アップロードしていても、その変更がまだ公開されていない場合は、古いバージョンの内容が印刷されることになります。
- 仕様: Amazonで販売されている通常の商品版と全く同じ品質で印刷されます。
著者用コピーと校正刷りの違い
両者は物理的な本である点は共通していますが、その利用目的と入手時期が異なります。
項目 | 校正刷り | 著者用コピー |
---|---|---|
目的 | 出版前の最終チェック、品質確認 | 販売中の本の個人利用、直接販売、配布など |
印刷内容 | 未出版の最新のドラフト版 | Amazonで販売されている最新のデータ |
入手時期 | 出版前(出版審査中または審査前) | 出版後いつでも ※出版前の段階では発注できない |
表紙 | 非売品表記の透かしが入る | 通常の販売版と同じ(透かしなし) |
それぞれの制作費用として”印刷コスト”がかかる
著者用コピーと校正刷りの費用は、どちらも同じ「印刷コスト」から計算できます。この印刷コストは、本の仕様(判型、ページ数、カラー/モノクロなど)によって変動します。
- 基本的な計算:
印刷コスト = ページ数 × ページ単価 + 固定費
- ロイヤリティ: 当たり前ですが、著者ロイヤリティは発生しません
- 確認方法: 計算ツールから確認可能です
印刷コスト以外に送料がかかるが、送料無料にする方法はない
著者用コピーと校正刷りでは印刷コストとは別に、注文ごとに配送料が発生します。この送料は、注文部数や配送方法(通常配送、お急ぎ便など)によって異なります。
そしてKDPの著者用コピーおよび校正刷りは、Amazonプライム会員であっても送料無料の対象外です。
ちなみに他商品との同梱(通常のAmazonで販売されている他の商品と一緒に購入)しても、著者用コピーや校正刷りには別途送料が請求されます。
おそらく通常のAmazon倉庫から発送される商品とは異なり、KDPのオンデマンド印刷プロセスを経て発送されるため、送料がかかってしまうのでしょう。
そのため、複数冊注文する際には、まとめて発注するのがおすすめです。