ZINEの作り方|初心者でも迷わない制作ステップとコツ

ZINEの作り方|初心者でも迷わない制作ステップとコツ

「自分だけの本を作ってみたい」と思ったとき、手軽に挑戦できる方法のひとつがZINE(ジン)です。当サイトの別記事「ZINEとは」でも触れているとおり、ZINEは個人が自由な形式で作る小冊子のことを指しますが、実際にどのような手順で作ればよいのか、具体的なイメージが湧かないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ZINEを初めて作る人に向けて、制作前の準備から完成後の配布方法まで、一連の流れをご紹介します。

そもそもZINEとはどんな本か

ZINEとは、個人や少人数のグループが、テーマや形式にとらわれず自由に作る小冊子のことです。出版社の企画審査を経る商業出版とは違い、作りたい人が作りたい形で発行できるのが最大の特徴で、文章中心のものもあれば、写真集やイラスト集のような形式もあります。決まったルールがない分、テーマ選びから完成形のイメージまで、自分の手で一から組み立てていく必要があります。

作り始める前に決めておきたいこと

ZINEづくりをスムーズに進めるためには、書き始める前にいくつかの要素を決めておくことが大切です。特に次の3つは、制作の途中で迷わないためにも早い段階で固めておきましょう。

まずはテーマです。好きなものを掘り下げる、日常のワンシーンを切り取る、これまでの作品をまとめるなど、ZINEはテーマの自由度が高いのが魅力です。テーマが広すぎると内容がまとまりにくくなるため、「誰に、何を伝えたいのか」を一文で言えるくらいまで絞り込んでおくと、後の構成づくりが楽になります。

次にページ数とサイズです。A5判が定番ですが、持ち歩きやすさや配布のしやすさを考えてA4判やそれ以外のサイズを選ぶ人もいます。ページ数は表紙・裏表紙を含めて4の倍数になるよう調整するのが一般的で、内容のボリュームと予算のバランスを見ながら決めていきます。

最後に製本方法で、中綴じにするか無線綴じにするかによって、必要なページ数やデータの作り方が変わってきます。作りたい雰囲気や配布方法もあわせてイメージしておくと、後の工程で迷いにくくなります。

ZINE制作の基本ステップ

大まかな方向性が決まったら、実際の制作は次のような流れで進めていきます。

最初のステップは素材の準備です。文章や写真、イラストなど、ZINEに使う素材を集めます。自分で撮影・執筆したもの以外を使う場合は、著作権や肖像権を侵害しないよう、利用条件を必ず確認しておきましょう。

次に、集めた素材をもとにレイアウトを組んでいきます。初心者であれば直感的に操作できるCanvaのようなツールが扱いやすく、より本格的なレイアウトを組みたい場合はAdobe InDesignのようなDTPソフトが向いています。フォントを選ぶ際は、商用利用が禁止されているフリーフォントを誤って使わないよう、利用規約を確認することも忘れないようにしましょう。

レイアウトができたら、誤字脱字や事実関係、読みやすさを確認する校正の工程に入ります。声に出して読んでみる、時間を置いてから見直す、家族や友人など第三者に読んでもらうといった方法で、思い込みによる見落としを減らせます。特に文章量が多いZINEでは、この校正の工程を丁寧に行うかどうかで完成度が大きく変わってきます。

校正が終わったら、印刷用のデータを整えます。多くの印刷会社では、CMYKのカラーモードで、解像度300dpi以上のPDFデータでの入稿が推奨されています。仕様は印刷会社によって異なるため、依頼先の入稿ガイドを事前に確認しておくと安心です。ノドと呼ばれる綴じ側の余白や、断裁時にずれても問題がないようにする塗り足しの設定など、細かい仕様も見落とさないようにしましょう。

主な製本方法の比較

ZINEの製本方法にはいくつかの種類があり、ページ数や仕上がりの雰囲気、かけられる予算によって向き不向きがあります。どの方法を選ぶかによって、印刷に出す前のデータの作り方や必要なページ数の考え方も変わってくるため、制作の初期段階で決めておくと後の工程がスムーズです。代表的な方法を表にまとめました。

製本方法 特徴 向いているケース
ホチキス(中綴じ) 用紙を二つ折りにして中央をホチキスで留める、手軽で費用を抑えやすい方法 ページ数が少ない冊子、初めてのZINE制作
無線綴じ 背表紙に糊で接着してまとめる方法で、書店に並ぶ本に近い見た目に仕上がる ページ数が多い作品、しっかりした見た目にしたい場合
手製本・和綴じ 糸や紐を使って手作業で綴じる方法で、素材や綴じ方に個性を出しやすい 少部数で一冊ずつ手をかけたい作品集

完成したZINEを配布・販売する方法

ZINEが完成したら、次は読者に届ける段階です。代表的な方法として、即売会やイベントでの手売り、書店やカフェなどへの委託販売、オンラインショップでの通信販売があります。手売りは読者の反応を直接感じられるのが魅力で、委託販売やオンライン販売は遠方の読者にも届けやすいという利点があります。

初めての制作では、まず少部数を刷ってイベントで手売りしてみて、反応を見ながら次の部数や販売方法を調整していく進め方もおすすめです。SNSで制作の過程を発信しておくと、完成後の告知もスムーズに行えます。値付けに迷う場合は、印刷にかかった費用に加えて、自分の作業時間もある程度反映させて価格を決めると、次の制作を続けやすくなります。

委託販売を利用する場合は、販売手数料や精算のタイミング、売れ残った際の返却方法などをあらかじめお店側と確認しておくとトラブルを避けやすくなります。オンラインで販売する際も、送料の設定や発送方法を事前に決めておくと、注文が入ってから慌てずに済みます。

自分らしいZINEを一冊の形にしてみよう

ZINEづくりは、テーマ選びから素材準備、レイアウト、校正、印刷、製本、配布まで、一つひとつの工程は決して難しいものではありません。すべてを完璧にこなそうとすると手が止まってしまうこともあるので、最初は小さなページ数から挑戦し、最後まで作り上げる経験を積むことを優先してみるのもおすすめです。

一冊を最後まで形にできれば、次はページ数を増やしてみる、製本方法を変えてみるなど、自分なりのアレンジを加えやすくなります。自分のペースを大切にしながら、自分らしい一冊を形にしてみましょう。

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記事の著者:サトウ ユイ(編集)

今春、新卒として令和出版に入社。大学在学中は学園祭のパンフレット制作やWebメディアのインタビュアーとして活躍。現在は同編集部門にて、サポート業務を行いながら、書籍やWebコンテンツのライター業務を担当。

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